介護の世界で絶対に知っておくべき話。「介護が崩壊する!」と騒がれたドーナツ事故裁判の最終結果
「そう言えば、介護が崩壊すると騒がれていたあの事件って最終的にどうなったの?」
「介護に興味があるけど、知っておいた方が良い出来事ってありますか?」
「うちの看護師ムカつく~!」
なんて介護職員さん達に大きく関係する事件がありました。
それをあずみの里訴訟(通称:ドーナツ事故裁判)と言います。
当時
「このままでは介護が崩壊する!」
と大きく煽られて、内容を知らないまま署名した介護職員も多くいましたよね。
あの事件は既に最終的な判決が下り決着しています。
そこで今回は
『介護が崩壊すると騒がれたあずみの里訴訟(ドーナツ事故裁判)の最終結果』
について、分かりやすさ重視で説明していきます。
この記事を読むことで
◎、介護が崩壊すると言われたドーナツ事故裁判の最終的な結果を知れます
◎、裁判結果が適用されるので、現状の介護現場の責任の所在が知れます
◎、当時署名した介護職員は、自分自身が何に賛同していたのかを冷静に知れます
◎、雰囲気や思い込みではなく、内容を理解・把握する重要性を知れます
それでは介護が崩壊すると騒がれたあずみの里訴訟(ドーナツ事故裁判)について見ていきましょう!
看護師は介護のことを把握しないでも良い
結論を最初に言うと、
「看護師は看護師だから、介護現場の変化や状況を把握しないで事故を起こしても仕方ないよね!だって看護師なんだもん。」
という結果になりました。
「なにそれ!つまり看護は特別ってこと?納得できないんですけど!」
という介護職員さんも多いかもしれません。
しかし、もしあの事件で署名をしているのなら、貴方はそれを応援した一人になり得ます。
どういうことか、事件を知らない人にも分かるように、順を追って説明していきます。
①、事件の概要
②、裁判で争われたポイント
③、地方裁判所&高等裁判所
④、最高裁判所(最終結果)
それでは、
「裁判とか難しいことは分からないです!」
という貴方にも分かりやすいように、詳しく見ていきましょう!
①事件の概要
特養あずみの里のおやつの時間に事故は起きました。
当時フロアには介護職員1名、看護職員1名がおり、おやつはドーナツでした。
食事は常食だけど、最近話し合いの結果おやつだけペースト食に変更となっていたご利用者Aがいました。
しかし、看護職員は介護の申し送り帳をずっと読んでおらず、食事形態の変化を把握しないままドーナツを提供。
その後、ご利用者Aの様子が変なことに気付き、ドーナツを喉に詰まらせているのを発見。
救急搬送先の病院で亡くなりました。
これを受けて、この看護職員を業務上過失致死傷罪で検挙したという事件です。
②裁判で争われたポイント
この事件の裁判で争われたポイントで知っておいて欲しいのは大きく3点
①、見守り不足の事故
②、事故予測不足による事故
③、看護師による介護領域の事故
という部分です。
最初、検察(看護職員を有罪にしたい人達)はこれらについて
①、見守り不足という過失があったから、有罪
②、ご利用者の普段からの状況把握からでも、事故予測できたはずなんだから有罪
③、看護職員だろうと、介護の仕事をするなら同じ責任を負うべきだから有罪
と裁判所に言いました。
看護職員側は当然これらに反対をし無罪を主張しました。
その際に
「今の介護現場は人出不足だ!こんな状況で見守り不足で起きた事故が有罪?そんなことを言ったら介護現場が崩壊してしまう!!!」
と強く主張をし、無罪を勝ち取るための支援団体が発足され、全国の介護施設に無罪を求める署名が回りました。
その結果、多くの介護職員が
「その通りだ!見守り不足の事故で捕まるなんて介護できなくなっちゃよ!現場を知れ!」
と賛同し、署名したようです。
③地方裁判所&高等裁判所
その後、裁判が行われ、地方裁判所と高等裁判所は同じ判決を下します。
その内容はこうです。
①、介護現場は人手不足だし、見守り不足の事故は仕方がないので、無罪
②、事故予測にも限界はあるんだから、無罪
③、看護師だとしても、
「介護をするなら申し送り帳くらい見ろよ!」そんな暇がないなら
「他の介護職員に変更を聞けよ!」
それをしないで起こした事故は流石にダメでしょう!だから、申し送り帳を見ないで事故を起こしたのは有罪
という理由で
『有罪』
と判決が出ました。
④最高裁判所(最終結果)
それでも有罪では納得がいかない看護職員側は最高裁判所に持っていきます。
この時点で争われている内容は
看護職員は介護の応援をする際に
◎、介護の申し送り帳を読む
◎、他の介護職員に変更を聞く
等をして介護現場の状況把握をする必要があるのか?
というモノでした。
つまり、当初の
『見守り不足』云々
はもう一切関係ありませんね。
『看護師が介護領域を把握する必要があるか?ないか?』
だけなので、どっちの結果でも介護崩壊なんてしませんからね。
しかし、支援者側は
「このままでは介護が崩壊する!助けて下さい!」
と主張し、署名を求め続けました。
その結果、その後も多くの介護職員からの署名が集まりました。
つまり、この時点での署名は
「看護職員は介護の内容を把握しないで事故を起こしてもオッケーにして下さい!だって看護なんですから!」
という意思表示ですね。
そして、(本当に内容を把握して署名しているのか分かりませんが)結果として多くの署名も集まり、最終的に裁判所は
「わかりました!看護師は介護の状況を把握する必要はありません。だって看護師なんだもん。」
「だから看護師が介護の申し送り帳を読まず、他の介護職員に変更等を聞かずに、介護領域で事故を起こしても仕方ないよね。じゃあ無罪で!」
と決定しました。
これがあずみの里訴訟(ドーナツ事故裁判)の最終的な結果となります。
裁判結果はその後の出来事の基準となります。
つまり、この事件を受けて現在は、看護職員は介護の応援をする際に
◎、介護の状況を把握する義務はない
◎、介護職員に状況等を聞く必要はない
◎、それにより介護領域で事故を起こしても仕方がない
ということになっているわけですね。
これが当時署名をした介護職員の求めた結果通りということになります。
「いやいや、そんなこと求めてないから!当時そのことを知っていれば署名なんかしなかったのに!」
という介護職員がいても、署名しているならそういうことになっているんですね。
あと余談ですが、当時から
「これはもう介護崩壊とかそのような話じゃなくなっていますよ!それでも署名します?」
と説明していた私は、冷静さを失った多くの介護職員からネット上でボロクソ叩かれ、袋叩きに遭いました。
つまり、当時この情報を知っても、結局介護職員の多くは署名しているんですね!
いかに
「物事の内容を理解した上で意思表示する必要があるのか?」
その重要性が分かる事件ですよね。
◎、支援者側の巧みさ。戦略の組み方
◎、集団心理や思い込みの脆弱さ
等を身を持って体験し、勉強になったので良いんですけどね。
まとめ
「介護現場が崩壊する!」
と騒がれたあずみの里訴訟(ドーナツ事故裁判)は、多くの介護職員からの署名もあり
『看護師は介護のことを把握しないでも良い!』
という結果となりました。
これで介護が崩壊すると言われたドーナツ事故裁判の最終的な結果を知れましたね。
介護現場で発生した事故は、
◎、介護職員が起こせば責任がある。
◎、看護師が起こせば責任がない。
という状況になっていることを把握できましたよね。
これが当時署名した介護職員の望んだ結果です。
もし
「そんなつもりはない!」
「は?看護師優位?ふざけんな!」
と思ったとしても、署名した以上はこれを望んだという事です。
もし、もやもやが残るのなら、これを教訓とし、
『物事に対して意思表示をする際は、キチンと内容を把握する重要性』
を学ぶ良い機会にして欲しいと思います。
とはいえ、
「難しい出来事を把握するのは自分には無理です!」
という場合は、このように私が分かりやすく噛み砕き、ブログで説明しますので、是非また来て下さい!
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