【特養版】2021年度介護報酬制度改正の内容とは?現場にも大きく関係する部分を分かりやすく説明します
来年度の令和3年4月から、介護報酬制度が改正され、介護業界の新たな指針・方向性が示されます。
そこで
「へぇ~。で?現場には何か影響があるんですか?」
「介護報酬制度なんて事務所とか、相談員、ケアマネの話でしょ?」
「そういうのは難しくてわかりません!現場に関係するなら、そこだけ教えてよ!」
そんな現場の介護職員も多くいると思います。
そこで今回は
『令和3年度、新介護報酬制度案の内容』
について、介護現場。
特に特養の現場に関係してきそうな部分を独断と偏見により抜粋して説明します。
(私が特養職員なので!)
この記事を読むことで
◎、令和3年度から始まる新介護報酬制度が分かります
◎、これからの介護はどうなっていくべきかの方向性が分かります
◎、貴方の勤務する介護施設は大丈夫か分かります
それでは2021年度から始まる介護報酬制度の内容について見て行きましょう!
介護報酬制度を無視していると廃業する介護施設が多い
私が一番言いたいのは
「介護報酬制度を無視していると廃業するよ!」
ということです。
ただしこれは、今回の改正に限ったことではありません。
介護報酬制度そのものを今後も無視し続けたらという話です。
これを聞いてもまだ
「介護報酬制度なんて、現場の私には関係ない話だ!」
と言い切れる介護職員さんがいたら、ちょっと怖いですよね。
つまり
「仕事を失っても私には何の影響もない!」
と言っているのと同じですからね。
「いやいや、いやいや!ちょっと待ってよ!廃業なんてレベルの話になるの?」
とビックリした人も多いかと思いますが、そのレベルの話になります。
もちろん全ての介護施設とは言いませんが、私が少し調べた範囲の介護施設は廃業に向かい始めることになります。
では私は一体介護施設の”何を”調べてそう言っているのか?
それは
『財務諸表』
です。
簡単に言うと
『その施設は、健全な経営が出来ているのかどうか?』
を読み解いたという事です。
>>>投資・就職・再就職で重要なスキル!『財務諸表を読むスキル』を挫折しないように分かりやすく解説します!
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どの施設とかは言いませんが、私が調べた中には
『営業利益(利用料等) 約7700万円』
『人件費 約2億2000万円の出費』
なんて社会福祉法人もあります。
つまり、利用料だけでは人件費すら払えない経営状態です。
それでも廃業していないという事は、
『介護報酬等の公的資金で成り立っている』
ということですよね。
何ヶ所か調べましたが、この法人と同じように
『主な収入源が公的資金』
という社会福祉法人は多いようです。
と言う事は、主な収入源の介護報酬を無視していたら減額されていくので、経営は厳しくなっていきますよね。
だから、
「無視していると廃業するよ!」
と言う事なんですね。
では、そんな施設存続レベルの重要な介護報酬改正の内容とは具体的にはどんな内容なのでしょうか?
今回ご紹介する内容は5点
①電子記録導入
②介護ロボット・機器の導入
③看取り
④ご利用者の状態改善
⑤事故防止の徹底
特養の現場に影響のありそうな部分だけを、独断と偏見によって抜粋しただけですので、キチンと全体を把握したい貴方は厚生労働省の資料をどうぞ!
それでは、令和3年度介護報酬改定内容について見て行きましょう!
①電子記録導入
電子記録を導入していることによる介護報酬が多く増設されています。
つまり逆を返すと、電子記録を導入せず、今だに手書き主流な介護施設は淘汰されていく流れにあります。
電子記録導入による
◎、本格的なチームケアの構築
◎、介護現場レベルの細かい情報共有
◎、現場の負担軽減対策
辺りは必須項目となってきています。
その証拠に、介護報酬の対象となっている情報の提出方法は電子記録で行います。
つまり、手書きではそれが出来ないんですね。
まだ減額の対象ではないようですが、いつ
「手書き記録だと介護報酬を出さない!」
となってもおかしくない。
そんな流れだと私は考えています。
ちなみに、私の調べた知っている法人も記録は手書きです!
貴方の施設はどうですか?
②介護ロボット・機器の導入
今回の改正では介護ロボットまでは踏み込んでいません。
しかし、次回の改正では介護ロボットも入ってくると考えています。
今実証実験中の介護ロボットだけでも、私達人間が今やっている介護業務の大半は任せられる性能です。
そのくらい介護ロボットの進化は急加速中ですので、無頓着のままいると気付いた時には
「雇うのに高額で、ロボットに出来ることしか出来ない人間介護職員は必要ありません!」
となり得ますのでご注意を!
テクノロジー全般や、介護ロボットの情報を追っている私は、あと5年以内にはそうなってくると推測しています。
それはともかく、今回の改正で重要なのは職員の負担を軽減するための機器導入です。
職員不足で困っている介護施設は多いですよね。
人員配置も決まっていますし。
そこで、
「介護機器を導入して、介護職員の負担が軽減するようにキチンと取り組めば人員配置人数を緩和して良いですよ!」
となります。
逆に、
「テクノロジーを導入しないと人員配置による加算を失くしますよ!」
という雰囲気の文言も存在しています!
そのため、テクノロジーを毛嫌いしている介護施設では
「なんじゃこれ!!!」
となる可能性はありますよね。
貴方の介護施設は大丈夫ですか?
③看取り
看取りに関しては何年も前から強化されることが叫ばれていますので知っている人も多いかと思いますので、サラッと行きます!
看取りに関しては
「看取りにキチンと取り組んでいる施設は、新たに評価して増額もあり得ますよ!」
と言う事です。
④ご利用者の状態改善
特養の現場では特にこれが一番大きいかなと私は感じます。
一言でいうと、
「ご利用者の状態改善が行われたら介護報酬は増額だ!」
ということです。
主に
◎、褥瘡(じょくそう)
◎、排泄レベル
◎、日々のリハビリのプラン整備と実施状況
等が対象のようです。
介護をしていると医師から
「まさに奇跡だ!」
と言われるくらい回復するご利用者がいますよね。
私はそれを
『介護の奇跡』
と呼んでいますが、そんな介護の奇跡を何度も見てきました。
そんな
「介護の奇跡を起こした施設には介護報酬沢山あげるよ!」
というイメージですね。
以前勤務していた施設で、寝たきりバルーン、介護度5のご利用者が回復して自立し、回復し過ぎた結果、特養に居られなくなって退所したときは感動モノでした。
ただし、キチンと報告できるように記録に残していないといけないでしょうから、介護の奇跡に目が向き、気付くのは必須です。
施設によっては職員のダメな部分ばかり探して、良い部分を見ない所も多くあります。
すると、介護の奇跡を起こした職員はわざわざ報告しないことも有ります。
そして、ご利用者が奇跡的に回復して行っても全く気付かない施設は介護報酬が受けられないという事です。
そのため、職場の雰囲気・人間関係改善にまでメスを入れる必要がある項目だと思いますので最も重要だと感じました。
貴方の施設は大丈夫ですか?
⑤事故防止の徹底
これは特養ではすでにキチンと整備されている所が多いでしょうからそこまで細かく言う必要はないと思います。
◎、事故報告書の作成・周知
◎、事故対策の委員会や担当者を設けましょう
◎、事故防止のために必ず行動しましょう
◎、組織的に取り組む形を整備しましょう
ということです。
この項目に関しては、キチンとしないと介護報酬が減額されるようです。
もっとも、減額云々ではなく、歴史上これをしないと
『介護現場の事故は軽微なものまで全て業務上過失致死傷罪という犯罪』
だったと記憶しています。
この話は機会があれば説明します。
貴方の施設は大丈夫ですか?
余談ですが、捜査権も、捜査経験もない素人が犯人探しを始めて、反省文とか、始末書のような形で事故報告書を扱っていませんか?
事故報告書にそのような意味合いを持たせていると適切な運用にはなりませんからね!
(私は捜査のプロ経験者なので、介護・看護職員が他職員の人格を傷付けたり、人権侵害をしながら犯人探しを始める光景は見ていて不快なんですよね)
ここだけ私個人の感情部分が多いので、余談ということで。
まとめ
介護報酬等の公的資金で何とか保てている介護施設が多いので、介護報酬制度を無視していると廃業する介護施設が多いと言えます。
その上で、では無視できない介護報酬で注目すべき点はなにか?
①電子記録導入
②介護ロボット・機器の導入
③看取り
④ご利用者の状態改善
⑤事故防止の徹底
というところでした。
これで令和3年度から始まる新介護報酬制度がなんとなくイメージできましたよね。
これからの介護は介護報酬の向かう方へ進む必要があるのも理解できましたよね。
そして最後に、
「貴方の勤務する介護施設は大丈夫ですか?」
少しでも介護報酬改正が気になった貴方は、この記事を何度も読み、
「私の勤務する施設の方向性はどうかなぁ?」
を見て、今後の進退を考えるのは有りだと思います。
特養以外の事業所の貴方は、ご自身で確認するか、私が更新する気が向くのをお待ち下さい。
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