警察官の持つ拳銃の話。多くの人が勘違いしていること3選【犯罪抑止】

2021年4月20日

※ この記事は音声学習に対応しています。

 

 

 大阪府で、交番にいた警察官から拳銃を奪おうとした高校生が逮捕されたとのニュースが飛び込んできました。

 

 この事件に限らず、全国的には警察官の持つ拳銃を狙った犯行がたまに聞かれます。

 

 このような犯人の中には

「どうせ撃てないでしょ!」

「警察官は即撃ったり出来ないから、そこに隙が生まれる!」

みたいに考えて狙う犯人も少なくないようです。

 

 そこで今回は元警察本部刑事部の私が、そのような犯人を抑止する目的と、警察官を目指す人、両方に向けて

『警察官の持つ拳銃について、多くの人が勘違いしていること』

についてお話していきます。

 

 この記事を読むことで

◎、警察官が持っている拳銃に関する勘違いを正せます

◎、「警察官の拳銃を奪おう!」と考える人の抑止になります

◎、警察官になりたい人は予備知識を得られます

 

 ただし、守秘義務があるので、拳銃の保管場所等、世間に知られると社会的に危険な情報は載せません。

 

 その上で、それでは警察官の拳銃について見ていきましょう!

 

 

 

思った以上に拳銃は当たらない

 警察官による発砲が報道される度に一定数

「全然当たってないじゃん!拳銃の訓練くらいしろよな!」

というコメントがインターネット上に溢れます。

 

 しかし、警察官や自衛隊等、拳銃を扱ったことのある人はまずこんなことは思いません。

 何故なら、拳銃は難しい!

 ましてや動いている対象に当てるのはかなり凄いことです。

 

 どのくらい難しいか少しご紹介します!

 拳銃の訓練を受けた事がない一般人が拳銃を撃ったら、止まっている的に対して、ジックリ狙いを合わせて撃っても、まず100%当たりません。

 

 では警察官は止まっている的にはどのくらい当てる技術を持っているでしょうか?

 警察官は全員、的には100%当てます。

 更に撃った弾のほとんどは的の中央に当てます。

 

 このくらいまでは警察学校時代の新人時代に全員訓練されます。

 このくらいの腕前にならないと拳銃の定期試験に落ちますから、卒業できなくなってしまいますからね。

 

 しかも動く的に対してや、照準を見ない撃ち方、早打ち等、複数の射撃方法を習得します。

 もちろん、全て的に当てないと試験で落ちるので、全員全ての撃ち方において高得点を出せるまで訓練されています。

 

 警察学校時代だけで、何百発と訓練しまくります。

 拳銃の授業は最初に適切な扱い方・操法、手入れの仕方等を身につけたら、ひたすら撃ちまくります。

 

 このように拳銃訓練はキチンとしており、射撃能力は高いんですね。

 それでも、現場で一発だけで事件を完全に解決する、完璧な射撃は無理なわけです。

 

 だから、拳銃を扱ったことのある人は批判せず、拳銃を触ったこともないような人が批判するんですね。

 

 警察官の拳銃の腕前が分かったところで、本題の多くの人が勘違いしていること3選を見ていきましょう!

 それは

①、安全装置がついている?

②、一発目は空砲?

③、威嚇射撃をしないといけない?

です。

 

 全部昔からよく言われている噂ばかりですね。

 それでは、それぞれについて更に詳しく見ていきましょう!

 

 

 

①安全装置がついている?

 特に年配者が勘違いしているのですが

『警察官の拳銃には安全装置が付いている』

と思っている人がいます。

 

 しかし、この情報は昔の情報です。

 実は昔の拳銃には安全装置が付いていたそうです。

 

 そのため、その情報は間違いではないようです。

 間違いではないのですが、今は違います。

 

 今の警察官の拳銃に安全装置は付いていません。

 つまり、抜いたら即撃てる状態にあります。

 

 その理由は

『昨今の凶悪犯罪の増加において、安全装置を外す手間は命取りになるから』

です。

 

『警察官が負ける=犯人を取り逃がす。社会的不安の増加』

となるので、警察官の最終手段である拳銃はいつでもすぐ撃てるようにしておかないと時代にそぐわないという事で、安全装置は排除されているんですね。

 

 

 

②一発目は空砲?

 これも年配者に多いのですが

『警察官の拳銃は一発目は弾が入っていない!』

と勘違いしている人が多いです。

 

 これも昔はそうだったようですが、今は違います。

 つまり、全弾装てんされており、一発目から実弾が撃てる状態にあるということです。

 

 その理由も先ほどの安全装置と同じで、

『昨今の凶悪犯罪の増加への対処』

として変更されたものです。

 

 

 

③威嚇射撃をしないといけない?

 これは年齢関係なくほとんどの人が

『警察官は最初に必ず威嚇射撃をしなければならない』

と勘違いしていると思います。

 

 しかし今は、威嚇射撃は絶対のモノではありません。

 即射撃することも認められています。

 

 そのため、

「拳銃を向けられても、威嚇射撃されてから降伏すれば良いや!」

なんて軽く考えている犯人は撃たれます。

 

 私が警察官時代も何人かの知人が実際に射撃していますが、その全てで威嚇射撃はしていません。

 

 今でも原則として威嚇射撃は必要です。

 しかし、法律の特徴なのですが、原則がある場合は必ず例外もあるんです。

 

 威嚇射撃は原則なので、威嚇しないで即射撃は、例外として認められているということです。

 

 では例外とはどんな状況か?

 簡単に言うと、

『警察官や第三者の一般人が今にも傷付けられそうな、緊急事態のとき』

です。

 

 つまり、緊急事態で、威嚇なんてしている暇がない時には威嚇しないで即射撃して良いということです。

 

 このように聞くと

「ちょっと待って!さっき、ふたひいさんの知人は全員威嚇射撃しなかったって言ったよね?誰も原則に従ってないの?」

と思う人がいると思います。

 

 それにはキチンと理由があります。

 実際問題として、警察官が実際に拳銃を抜く時は、威嚇なんてしている暇がないくらい切迫した時です。

 そのくらい切迫しないとまず抜きません。

 

 そのため、実質的に射撃するときには威嚇射撃はしない事案の方が多いということです。

 つまり、そもそも威嚇射撃をする暇がある状態では別の手段で対応し、拳銃を抜かないんですね。

 

 だから、

警察官が拳銃を抜いたら、威嚇射撃なんてせず即撃ってくる』

と思って下さい。

 

 先ほどの例外条件の部分で見落としがちな部分を再度言っておきますが、

『第三者の一般人の危機』

でも威嚇射撃をせずに射撃できますので、

 

「警察官を追い詰めなければ撃たれないだろう!」

なんて考えて、周囲にいる一般人を攻撃対象としていても撃たれますからね。

 

「どうせ警察官は拳銃を撃ってこないだろう!」

「一発目は空砲、威嚇射撃や警告をしてから撃ってくるから、それから降伏すれば大丈夫だろう!」

なんて甘い考え方をして警察官を狙う犯人がいたら命を失いますよ!

 

 威嚇射撃をする暇がない急迫した状態での射撃で、犯人を死亡させても警察官は高確率で罪に問われませんからね!

 

 甘い勘違いを正し、警察官を狙うなんてことは考えないことです!

 

 警察官を目指している貴方は、この辺りの拳銃を使う判断力を鍛える実弾訓練も行いますので、是非覚えておいて下さい。

 ペーパーテストだけではなく、実弾を使っても行うんですよ!

 

 

 余談で、この実弾を使った状況判断訓練。

 埼玉県の某警察署内にある拳銃訓練施設の天井。

 

 そこには一発だけ実弾が撃ち込まれています。

 もちろん、本来は撃ってはいけない場所です。

 

 すみません。

 もう10年以上前のことですが、私が直接指導したことのある後輩が犯人です。

 結構埼玉県警内では伝説になっているんですよね。

 

 埼玉県の警察官を目指している貴方は、是非その目で確認して見て下さい!

 ただの余談でした。

 

 

 

まとめ

 拳銃スキルが高くても、一般の人が思っている以上に拳銃は当たりません。

 

 そのような勘違いの中でも警察官を狙わないような抑止になるような情報として、警察官の拳銃に関して多くの人が勘違いしている情報3選

 

①、安全装置がついている?

 『凶悪犯罪対策として、今は即射撃可能です』

 

②、一発目は空砲?

 『凶悪犯罪対策として、今は全弾装てんされています』

 

③、威嚇射撃をしないといけない?

 『凶悪犯罪対策として、今は威嚇射撃せず即射撃も認められています』

 

 これで警察官が持っている拳銃に関する勘違いが修正出来たと思います。

 

 勘違いから

「警察官の拳銃を奪おう!」

と考える人の甘さが分かったと思います。

 

 警察官になりたい人は予備知識を得て、気持ちを新たに出来たのではないでしょうか?

 

 このブログでは、このような記事は雑学・その他に分類されます。

 そのため、

「もっと色々と警察という職業について知りたい!」

という貴方はこちらもお読みください。

>>>元警察官ふたひいによる記事集(有料版)

 

 

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