【貴方もチャレンジ!】面白い法律クイズから法律の未熟な部分を学ぶ! 『キヨミズ准教授の法学入門 著:木村草太』

2021年5月24日

「法律を学びたい!」

「面白い法律クイズを出して!」

そんな貴方に今回は、法律クイズを4問出題します!

 

 それらの法律クイズを考えることで、

「法律は完璧なモノではなく、未熟なモノだからこそ改正をしながら成長しているモノなんですよ」

という事を実感していただきます。

 

 内容としては

◎、クイズ①『病院のガラスを割られた!』

◎、クイズ②『病院に不審者が!』

◎、クイズ③『医療器具が盗まれた!』

◎、クイズ④『受精卵が盗まれた!』

 

 順番に解く事で、次の問題を考えるヒントになっていますので、是非順番に考えてみて下さい!

 

 この記事を読む事で、法律は完成品ではなく未熟なモノで、常に変わり続けないといけないモノだという事を実感できます。

 面白い法律クイズですので、友達や家族に出題したくなります。

 

 なお、「全く何も分からないゼロの状態から法学を学んでみたいんです!」という貴方にはこちらの記事もオススメです。

>>>法律をゼロから勉強したい貴方はこの記事を読むべし!誰にでもわかりやすく説明します!

 

 それでは法律クイズ、チャンレンジ開始です!

 

 

 

面白い法律クイズ①『病院のガラスを割られた!』

<問題>

 夜間はやっていない、フタヒイ病院。

 その日もいつものように最後の職員が鍵を閉めて帰宅しました。

 

 そして翌朝、開院のためにフタヒイさんが病院へ出勤すると病院の窓ガラスが割られていました。

 警察を呼んで調べた結果、特に盗まれた物はありませんでした。

 

 その後捜査の結果、犯人は逮捕されました。

 さて、この犯人の罪はなんでしょうか?

 

 

<回答・解説>

 この犯人の罪は

『器物損壊罪』

になります。

 

 これがどんな行為かを簡単にいうと

『人の物を勝手に壊す犯罪』

ですね。

 

 どうでしたか?

 解けた貴方はおめでとうございます!

 

 解けなかった貴方は、これで

「へぇ~そんな罪があるのか!」

と知る事が出来ましたね!

 

 これを頭の片隅に入れた状態で、第二問へ進みます!

 

 

 

面白い法律クイズ②『病院に不審者が!』

<問題>

 夜間はやっていないけれど警備員さんが夜間身回りをしている、フタヒイ病院。

 その日もいつものように最後の職員が鍵を閉めて帰宅し、病院には警備員のフタヒイさんだけになりました。

 

 そして深夜2時の定期巡回の時に、どこからか物音がして、その方向へ向かうと、診察室の中に見知らぬ男が立っていました。

 

 フタヒイさんを見て男は逃走。

 フタヒイさんは警察を呼んで調べた結果、診察室のガラスが割れてはいましたが、特に盗まれた物はありませんでした。

 

 その後捜査の結果、犯人は逮捕されました。

 さて、この犯人の罪はなんでしょうか?

 

 

<回答・解説>

 この犯人の罪は

『不法侵入(建造物侵入罪)』

になります。

 

 この行為はどんな行為かを簡単に言うと

『他人の建物の中に勝手に入り込む行為』

ですね。

 

「器物損壊罪と不法侵入罪じゃないの?」

と悩んだ貴方は惜しい!

 

 この場合、ガラスを割る器物損壊罪は、不法侵入をするために行った行為なので問われないんですね!

 

 そのように、一つの犯罪を犯すために、2個以上の犯罪行為を犯していた場合には

『最も重い罪を科す』

と決まっているんですね。

 

 ちょっと難しくてややこしいのですが、これを

『観念的競合(かんねんてき きょうごう)』

と言います。

 

 解けた貴方はお見事です!!!

 

 さて、少しずつ難しくなってきましたね!

 これも踏まえて、第三問へ向かいましょう!

 

 

 

面白い法律クイズ③『医療器具が盗まれた!』

<問題>

 夜間はやっていない、フタヒイ病院。

 その日もいつものように最後の職員が鍵を閉めて帰宅しました。

 

 そして翌朝、開院のためにフタヒイさんが病院へ出勤すると病院の窓ガラスが割られていました。

 警察を呼んで調べた結果、手術に使う医療器具が10点盗まれていました。

 

 その後捜査の結果、犯人は逮捕されました。

 さて、この犯人の罪はなんでしょうか?

 

 

<回答・解説>

 この犯人の罪は

『窃盗罪』

になります。

 

 これがどんな行為かは分かりますよね?

『人の物を勝手に盗む行為』

です。

 

 これはクイズ②でやった観念的競合を覚えていれば正解できたのではないでしょうか?

 

 この犯人は、物を盗むために、ガラスを割って、不法侵入をしています。

 そのため、物を盗んだ行為だけが問われるわけですね。

 

 ちなみに、この中で一番罪が重いのは窃盗罪です。

 

 それも知っていて正解したのなら

『お見事です!!!』

以外言いようがありません!

 

 間違えてしまった貴方は

「どれが一番重い犯罪か分からなかった」

とか

「クイズ①の解説を覚えていたらクイズ②で間違えさせられたから、クイズ③も裏をかいたのに!」

といった感じで間違えてしまったのかもしれませんね!

 

 でもこれで観念的競合は覚えましたよね!

 

 次のクイズがいよいよ最後の問題にして、最も難しく、法学の面白い部分でもあります。

 それでは最終問題へのチャレンジ行きましょう!

 

 

 

面白い法律クイズ④『受精卵が盗まれた!』

<問題>

 夜間はやっていない、フタヒイ病院。

 その日もいつものように最後の職員が鍵を閉めて帰宅しました。

 

 そして翌朝、開院のためにフタヒイさんが病院へ出勤すると病院の窓ガラスが割られていました。

 警察を呼んで調べた結果、体外受精用に保管していた受精卵が盗まれていました。

 

 その後捜査の結果、犯人は逮捕されました。

 さて、この犯人の罪はなんでしょうか?

 

 

<回答・解説>

 この犯人の罪は

『不法侵入罪』

になります。

 

 この問題は恐らくこの問題を知っている人以外はみんな

「えっ!窃盗罪じゃないの?」

と思いましたよね。

 

 しかし、残念ながらこれは不法侵入罪になります。

 その理由部分がまさに法律の未熟な部分なんですね!

 

 法律が未熟なせいで、様々な不具合が生じて来るので、その具合を更に深掘りして説明していきます!

 

 

<『窃盗罪と解釈した場合』>

 この事件を窃盗罪と解釈した場合、とても違和感が生じる事になります。

 もう一度窃盗罪とはどんな行為かを思い出して下さい。

『人のを勝手に盗む行為』

 

 ここで一つの問題が生じている事に気付けましたか?

が盗まれた時に成立する犯罪。

 

 つまり、窃盗罪とするなら

『受精卵=物』

だという事になるんですね。

 

 物なので極端な話、受精卵を質屋に持って行けばお金に変えてもらえたり、受精卵を売買できるという事です。(質屋がお金を出すかどうかは別問題ですが)

 

 他にも、受精卵を担保にお金を借りることも可能になり得ますよね。

 受精卵を壊せば器物損壊です。

 

 どれも微妙に違和感が残りますよね。

 

 

<拉致と解釈!?>

 では、

『受精卵=物』

と考えると違和感があるなら、

『受精卵=

でしょうか?

 

 しかしこれは、とてもやり過ぎ感が出てしまいます。

 

『受精卵=人』

という事は、人が無理矢理連れ去られたという事ですから

『拉致(略取罪)』

ということになります。

 

 更に、搬送中に受精卵が死滅すれば殺人罪です。

 ちょっとやり過ぎ感は残りますよね。

 

「でも盗んだ奴が悪いんだし、やり過ぎ感とか関係なくそのくらい厳しくした方が良いんじゃないですか?」

と考えた貴方!

 とても正義感溢れる考え方で、私は好きです!

 

 しかし、

『受精卵=人』

と考えると、他の面でも大きな不具合も生じてしまうんですね。

 

 例えば堕胎

 望まぬ妊娠をしてしまった場合に、受精卵が人として形成される前に掻き出す行為。

 

 いわゆる

『おろす』

という行為ですね。

 

 これも殺人罪になってしまいます。

 

「それも自業自得なところがあるんだから、堕胎禁止にしちゃえばいいだけじゃん!」

と思うかもしれません。

 

 ではこの場合はどうでしょうか?

 流産。

 受精卵やちょっと細胞分裂したくらいの状態で産み落ちてしまうものですね。

 

 これも殺人罪に問われる可能性が出てきますよね?

 だって受精卵が人間なら、人間が死んでいるんですよ。

 

「お母さんになるはずだった女性にストレスを与えた人を殺人罪に問いましょう!」

「お母さんになるはずだった女性の喫煙行為、飲酒行為を殺人罪に問いましょう!」

「お母さんになるはずだった女性の高齢出産を殺人罪に問いましょう!」

 

 こういうことになりますが、違和感ありませんか?

 

 

<法律は未熟である>

 このように、現在の法律では

「受精卵は物なのか?」

「人間なのか?」

「はたまた、それ以外の”何か”なのか?」

 決まっていないんですね。

 

 そして、何なのか定めがないモノが盗まれた場合の法律も存在しないので

『罪に問えない!』

ということなんです。

 

 これは刑法が作られた時点(明示40年)では想像すらされていなかったモノだからです。

 

 その後も、法律は改正を繰り返すことで、その時代・時代に合ったモノへと成長し続けてきました。

 現在では時代の成長が速すぎて、法律の改正が追い付いていないんですね。

 

 その代表的な事例がこの

『受精卵は何?』

という問題なんですね。

 

 なお、実際に事件処理する場合は、受精卵を保管していたケース・医療器具が盗まれたとして窃盗罪になる事はあり得ます。

 しかし、今回は受精卵だけ盗まれた空想上の犯罪なので、その部分はご了承下さい。

 

 

 

まとめ

 クイズを解く事で、法律についての勉強もでき、法律の未熟な部分も知れたと思います。

 

 それでは

【貴方もチャレンジ!】面白い法律クイズから法律の未熟な部分を学ぶ!

についてまとめて終わりにします。

 

 クイズ①『病院のガラスを割られた!』

 ガラスを割る行為は器物損壊罪になる。

 

 クイズ②『病院に不審者が!』

 病院に侵入する行為は不法侵入になる。

 ガラスを割った行為は罪に問われない。

 

 クイズ③『医療器具が盗まれた!』

 病院の手術道具を盗むのは窃盗になる。

 ガラスを割ったり、不法侵入した事は罪に問われない。

 

 クイズ④『受精卵が盗まれた!』

 病院に保管していた受精卵を盗むのは不法侵入になる。

 しかし、法的に受精卵が何なのかが不明なので、それが盗まれた部分は罪に問われない。

 

 

 ここまで読んで頂きありがとうございます。

 是非、他のキヨミズ准教授の法学入門シリーズの記事も宜しくお願いします。

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 私は他に大きく2つの取り組みをしていますので、少しでも興味を持ったら、そちらの活動も見ていって下さい。

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