日本では2020年7月1日よりレジ袋の有料化がスタートします。
そのことにより
「何のためにレジ袋を有料化するの?」
との声と共に
「買い物が不便じゃん!本当迷惑!」
「また政治家の思い付き?金儲けのためでしょ!!」
「環境問題のためだろうけど、この程度じゃ意味ないから!!!」
このような声を多く見聞きします。
そこで今回は
『2030年の世界地図帳 著:落合陽一』
を主な資料として、レジ袋有料化についてわかりやすく説明していきます。
主な流れとしては
◎、レジ袋有料化の背景はなに
◎、海の豊かさを守るため
◎、動物を守るため
◎、人間の健康を守るため
◎、日本のゴミ処理問題がヤバい状況だから
このように進めていきます。
この記事を読む事で、レジ袋有料化を行う意味・理由を知る事が出来ます。
今世界はどこへ向かおうとしているのかの一端を理解する事が出来ます。
それでは詳しく見ていきましょう!
結論:『SDGs(世界目標)に掲げられているから』
レジ袋有料化の流れは日本だけの話ではなく、世界・地球規模の取り組みになります。
なんなら有料化ではなく、
『使用禁止、使ったら犯罪』
として、その場で高額罰金や逮捕をするくらいに厳しく取り締まっている国すらあります。
なぜ急にそんなことが行われるようになったのでしょうか?
それは、国際連合で
SDGs(世界目標)
の一つとして掲げられたからです。
SDGs(世界目標)がどういったモノなのか知りたい貴方はこちらの記事をどうぞ。
>>>世界・日本・人類の未来はどうなる?わかりやすく解説します
SDGs(世界目標)の14個目
『海の豊かさを守ろう』
主にこれを実現するためにレジ袋有料化は行われています。
なお、先ほどから
『レジ袋、レジ袋』
と言っていますが、日本ではレジ袋が注目されているからそのように言っているだけで、厳密にはプラスチックゴミ全般の話です。
余談ですが、レジ袋有料化の目的が見え難く、曖昧になっている理由は、二酸化炭素排出量がどうとか、エネルギー問題がどうとか、別の問題も一緒に考えてしまうからワケが分からなくなってしまうんですね。
これは日本政府が
「この際、色々な事を一緒に入れ込んじゃえ!」
とごちゃ混ぜにしてしまっているから生じている混乱です。
世界的には
『海洋資源保護が主な目的』
で、レジ袋、プラスチックゴミの削減に取り組んでいるんです。
国際連合で世界中で2030年までに達成しよう!と掲げている目標として取り組んでいるのがプラスチックゴミの削減。
その最初の段階としてレジ袋有料化。
そのため、今後は更に、使用禁止やレジ袋以外のプラスチックゴミへ対象が拡大していくと考えられます。
ここまで、背景を理解していただけましたか?
目標に掲げているくらいですから、何かを守ろうとしているわけです。
それでは、一体SDGsでは世界の何を守ろうとしているのかを、更に深掘りしていきたいと思います。
結論:『プラスチックゴミで水質汚染が加速している』
「プラスチックゴミを減らして海を守る!」
と聞くと、海岸に流れ着いたゴミの山を想像します。
しかし、実はプラスチックゴミによる海や川への環境問題はそれよりも遥かに深刻なんです!
一番深刻なのは、浮遊するプラスチックゴミではなく、沈んだプラスチックゴミです。
プラスチックゴミが海や川の底に沈むと、微生物に必要な栄養や酸素が上手く循環しなくなってしまい、死滅した微生物が溜まってヘドロ化します。
その結果、海や川がヘドロで溢れ、水質が汚染されていきます。
では、そんなプラスチックゴミはどのくらいまで沈んでいるのが確認されているのでしょうか?
それはマリアナ海溝の水深1万メートルでも確認されているそうです。
では、ほぼ地球の海のどこへでも沈んでしまう、プラスチックゴミによる汚染はどのくらい海を汚すのでしょうか?
ある調査によると、プラスチックゴミが海底に沈んでいる海は、工場排水等により中国で最も汚染されていると言われている遼河の約50倍も汚染されているとの報告もあるようです。
つまり、プラスチックゴミは工業廃水等による汚染よりも深刻な汚染だと言えます。
どうしても、目に見える工業廃水の方が水質汚染の主な原因に見えてしまいますが、実はプラスチックゴミの方が深刻だったんですね。
だから、SDGs(世界目標)で海を守る為に、プラスチックゴミを減らす取り組みが進んでいるという事ですね。
結論:『動物はプラスチックを食べて死んでしまう』
動物がプラスチックゴミを食べて死んでしまう問題も発生しています。
特にレジ袋を食べてしまうケースが多いようです。
現在特に深刻なのがウミガメへの被害。
ウミガメはエサであるクラゲと勘違いしてレジ袋を食べてしまうそうで、国によっては9割以上のウミガメがプラスチックを摂取していたそうです。
致死率は摂取量に比例して高まり、概ね50~100%だそうです。
実はレジ袋による動物死滅は日本でも問題視されています。
奈良県の鹿。
プラスチックを食べ過ぎて死亡した鹿の体内から重さ3キロ以上のプラスチックゴミが発見されたケースもあるようです。
このように、海洋生物だけではなく、レジ袋による動物への被害は陸上生物にも深刻な被害を与えているんですね。
そのため、レジ袋有料化による削減は、海や川の水質問題だけではなく、水陸両方の動物の命のためでもあるんですね。
ここまで良いでしょうか?
さて、そうは言っても中には
「それって動物の話でしょ?人間は食べないし、そこまで深刻でもないじゃん」
と思う人もいます。
そこで、次は私達人間への影響についても見ていきます!
結論:『人間もプラスチックを食べている』
海や川の石が削られて小さくなっていくのと同じで、プラスチックも海や川で削られているそうです。
石と違い、プラスチックは自然で分解されないので、その細かくなったプラスチックは水や空気を漂います。
その水を吸っている魚介類を人間は食べます。
化学繊維等から発生した、空気を漂うプラスチック片は直接吸い込みます。
オーストラリアの大学の研究では、それらの目に見えない微細なプラスチックだけで人間は
『一週間でクレジットカード1枚分』
を体内に取り込んでいるという研究結果もあります。
これは約5グラムです。
前項でプラスチックを体内に取り込み過ぎて死亡した奈良の鹿の体重は概ね60キロと言われます。
人間と同等の体重ですね。
それが体内にプラスチック約3キロで確実に死亡していたと考えると、600週間で死亡する計算です。
4200日。
つまり、人間も直接プラスチックを食べなかったとしても、約11年ちょっとでそれだけの量のプラスチックを体内に取り込む計算になります。
もちろん、日々排出もしているので、常にそれだけ溜まり続けるという事ではありません。
そのため、現時点ではまだ
「おそらく、人体への大きな影響はないであろう」
と言われています。
しかし、このままのペースでプラスチックゴミの量が増えていったら、排出しきれなくなり、どうなるかわからないとも言われます。
だからプラスチックゴミを減らす第一段階である、レジ袋有料化は、今後自分達の健康被害の面でも重要な第一歩になるんですね。
石綿(アスベスト)だって、時間が大きく流れてから大きく問題視されましたよね。
プラスチックも同じかもしれません。
結論:『日本は八方ふさがりで、本当にヤバい!』
最後はこの
「世界的にプラスチックゴミを減らそう!」
という取り組みの中で、日本もゴミの量を減らさないとヤバいというお話をします。
このままのペースで行くと、日本は約20年でゴミ処理場が一杯になってしまうと言われています。
しかし、二酸化炭素排出量を減らす等という別の視点から、焼却処分も難しい。
まさに八方ふさがりな状態と言えます。
このように聞くと、
「国内でダメなら、海外に持って行くことはできないの?」
と考える人もいるかもしれません。
しかし、それは難しいんですね。
海外に持っていくのが難しい理由こそが、まさに
『世界規模でのプラスチックゴミ削減の動き』
なんです。
既に今の日本は、プラスチックゴミを海外にリサイクル資源として輸出しています。
しかし、世界的にプラスチックゴミを出さない取り組みが始まっているので、輸出できなくなります。
輸出できなければ国内ではゴミとして扱われるモノも増えますので、ゴミの増える量が加速するわけです。
お金を払って処理してもらうという方法はまだ不可能ではないかもしれませんが、世界の流れからそれも難しくなっていくのではないかなと感じます。
だからこそ、日本はそもそものゴミの排出量を減らさないとヤバい状況なわけですね。
しかし、
『レジ袋有料化』
これだけでもここまで賛否大きく分かれているのですから、いきなり
『レジ袋使用禁止!』
『プラスチック全て有料化!!』
『プラスチック全て使用禁止!!!』
なんて絶対にできるわけがありません。
国民から批判があっても、もう取り組まないわけにもいかない切羽詰まった状態。
だから、一歩一歩少しでも、確実に対策していくためにまずは
『レジ袋有料化』
なわけです。
もっとも、序盤で言ったように、色々と違った目的のモノまでごちゃ混ぜに入れ込み過ぎて、ワケがわからない混乱状態になってしまっていますが。
レジ袋有料化はこのように、私達にも直接関係する世界規模のお話だったんですね。
それでは
『レジ袋有料化はなぜ行われるのか?その目的と必要性をわかりやすく説明します。【SDGs】』
についてまとめて終わりにします。
レジ袋有料化の背景は
SDGs(世界目標)を達成させるための世界の動き
海の豊かさを守るため
プラスチックゴミによる水質汚濁がかなり深刻
動物を守るため
プラスチックを食べて死亡している動物がかなり深刻
人間の健康を守るため
このままだと人間もプラスチックのせいで死亡する可能性も!?
日本のゴミ処理問題がヤバい状況
◎、ゴミを減らさないと残り20年でゴミを埋め立てられなくなる。
◎、プラスチックは燃やせない。
◎、この流れの中で他国に持ちこむ事も難しい
◎、この流れの中で海外に輸出していたプラスチックも返ってくる
だから、日本国内のプラスチックゴミの排出量を減らし始めないと八方ふさがりとなる。
その第一段階としてレジ袋有料化が行われる。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
是非、他の2030年の世界地図帳シリーズの記事も宜しくお願いします。
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