「保育園落ちた、日本死ね」
まだ記憶に新しい人もいると思います。
これは日本の貧困問題を象徴する言葉の一つです。
そうです。
つまり、日本にも貧困問題はあるんです。
むしろ日本人が貧困でイメージするアフリカ諸国よりも、日本の方が心配されているくらいです。
このように聞くと貴方は
「確かに仕事があっても生活がギリギリな人の話を聞いた事があります!」
「というか、私が日本の貧困層の一人です!貧困問題について知りたいです!」
「日本についても、世界についても、貧困問題に興味があります。」
「貧困問題に対して私たちにできることはないの?」
このように思ったかもしれません。
そこで今回は
『2030年の世界地図帳 落合陽一』
を元に、世界と日本における貧困問題を
◎、貧困とはなに?その定義
◎、貧困問題の現状は?
◎、アフリカ諸国の貧困の理由
◎、日本における貧困の理由
◎、解決策と取り組み
◎、私たちにできることは?
この6点について取り上げていきます。
この記事を読む事で、世界と日本の貧困問題について知る事が出来ます。
そして、貧困問題に対して私たちができることを知り、解決に向けて取り組む事が出来ます。
更に、貧困で苦しんでいる当事者も貧困から抜け出すための努力方法を知る事が出来ます。
本当は全て順々に読んで頂けるとありがたいのですが、長い記事となってしまったので、貴方が興味を持った部分に目次から飛んで読む方法をオススメします
それでは貧困問題について詳しく見ていきましょう!
結論:『お金がない。未来に可能性がない』
貧困には大きく3種類あります。
それは
◎、絶対的にお金がない状態
◎、生活水準が低いお金がない状態
◎、未来に可能性がない状態
です。
イメージにない貧困もあると思いますので、もう少し深掘りしてみていきましょう。
貧困と聞いて一番イメージしやすいのがこのタイプの貧困だと思います。
このタイプの貧困の定義は
「貧困問題を解決しよう!」
とする世界目標(SDGs)によると
『1日1.25ドル(約130円)未満で暮らす人々』
世界基準によると
『1日1.9ドル(約200円)未満で暮らす人々』
とされています。
日本と物価が違うとはいえ、それでも一日200円。
月6000円未満で衣食住も含め、生活するのはとても苦しいのは想像ができますよね。
これは絶対的にお金がない貧困と違い、その国の水準と比べて生活水準が低いという貧困です。
国によって物価の違いがありますので、1万円で豪華に過ごせる国もあれば、一瞬でなくなる国もあります。
この貧困は後者の、1万円でも一瞬でなくなる方の、いわゆる先進国に多い貧困になります。
実はこのタイプの貧困で心配されている国こそ日本です。
このタイプは一番定義が難しい問題です。
生活水準が低いのではなく、あえて好んでそうしているミニマリストという人もいるからです。
そのため、少し抽象的にはなってしまいますが、ここでの貧困の定義は
『望まず、節約を強いられている人々』
としておきます。
この貧困はあまりイメージに無かったと思います。
このタイプの貧困はそのまま
『未来に可能性がない状態の人々』
です。
この定義は、お金の有無だけではなく、将来性のような時間の流れや環境、努力も組み込んでいるんですね。
そのため、今お金があっても、将来的にお金が無くなるだけの状態の人は貧困です。
逆に、今お金がなくても、将来的に収入増加が見込める状態の人は貧困ではありません。
前者は、主に石油産油国に見られる貧困です。
後者は、主に東南アジアがこれによって貧困を抜け出した状態にあります。
日本で言うなら、毎日低賃金で働き、家と職場の行ったり来たりで、帰宅すると疲れて寝て、また出勤。
休日は一日中何もせずダラダラ過ごす。
こんな状態の人です。
ここではそこまで難しく考えず
『貧困と言っても、様々な種類がある』
という認識で良いと思います。
結論:『世界では約7億3000万人。日本では格差に注目』
ここでは世界的に解決に向けて動いている
『絶対的にお金のない貧困の現状』
と
日本で心配されている
『生活水準が低い貧困の現状』
について見ていきます。
1日200円未満で生活している人は
約7億3000万人
いるそうです。
その多くはアフリカのサハラ砂漠の南側に集中しているようです。
そのため、世界目標(SDGs)による貧困問題として解決すべきはアフリカの貧困問題であることは明らかですね。
しかし、アフリカはGDPの成長率、つまり国の成長具合が著しく、デジタル技術の普及により未来は結構開けている貧困とも言われています。
世界目標(SDGs)は
『あらゆる種類の貧困もなくす』
と掲げられているので、日本における格差による貧困問題も解決すべきモノになります。
日本における貧困問題で重要なポイントは4つ。
『ワーキングプア』
『片親・シングルマザー』
『高齢者』
『子供』
です。
所得格差を表す指標によると、格差が小さい国に寄ってはいますが日本の格差は36位。
そこそこ格差がある国となっています。
片親・シングルマザーによる貧困率は約55%で先進国では第1位。
高齢者の貧困率は約20%で世界第11位。
子供の貧困率は約14%で第16位。
しかし、今後は世界一の少子高齢化国として、これらが悪化の一途を辿るとして問題視されています。
しかも日本は新たなテクノロジーに関しては後進国ですので、アフリカほど未来が開けていない貧困なんですね。
結論:『戦争と豊かな資源』
アフリカが貧困に陥っている主な原因は
『戦争』と『豊かな資源』
から説明される事が多いです。
それぞれについて原因を更に深掘りしていきましょう!
戦争が多いと国が発展しないで貧困に陥る。
このメカニズムはイメージしやすいですよね。
ではアフリカは戦争とどのように関係していたのでしょうか?
アフリカ諸国は植民地として取り合いが行われ、戦地となり国土が破壊され続けました。
そしてイザ戦争が落ち着き植民地にされると、今度は搾取されることになります。
このような戦争に巻き込まれたり、植民地にされたりの時代が何百年にも渡り繰り返されてきました。
そのため、外国からの巻き添えによる争いは1990年以降収束を迎えるも、民族紛争等の内部的な争いが止む事はなく、貧困問題に大きな影響を与えています。
豊富な資源も貧困問題の大きな要因とされています。
アフリカには豊富な資源が沢山あります。
特に石油や金、宝石類が有名です。
そのような高級資源が豊富だと一見豊かになりそうですが、アフリカでは逆なんです。
一部の利権を持った人達は物凄く潤いますが、その利益を社会に流すだけの産業が発達していないため、国内に流れ込み難いんですね。
国内の産業が発達している日本等であれば、
◎、仕事を下請けに受注する
◎、商品を沢山買う
◎、道路整備を大規模に行う
等のような形で資金を国内に流入させることができます。
しかし、アフリカではそのような産業が国内に育っていないため、それらのサービスを提供している人が国内にほとんどいないんです。
そうすると結局海外に受注して、お金は海外に流れてしまい、資源の恩恵を国内では受けられないという事です。
更に、国がこの資源による海外とのつながりから収入を維持できているため、国民から税金をもらう必要がありません。
そのことにより、国は支持率とか、選挙とかを意識する必要がないため独裁化が進みやすくなります。
国家が独裁化すると、お金のある人達は
「自分達だけ豊かなら良い」
となってしまい、国民は貧困のままという状態になりやすいんですね。
これらが全てではありませんが、アフリカで独裁国家が多い理由であり、貧困が多い理由と言われています。
結論:『格差と、弱者に厳しい国民性』
日本では生活水準の低い貧困問題が起きています。
その理由として今回は2つ取り上げます。
『格差が大きい』
『弱者に厳しい国民性』
です。
どういう事か見ていきましょう!
格差社会と言われるように、日本では収入が高い人と、収入が低い人との格差が大きいです。
そして日本における貧困問題とは、収入が低い人の問題となります。
日本では主に4つのキーワード。
『ワーキングプア』
『片親・シングルマザー』
『高齢者』
『子供』
があります。
ワーキングプアとは、仕事の単価や給料が安いことにより、働いても、働いても収入や生活水準が上がらない人達のことです。
介護職や保育士、アルバイトや派遣労働者等がこの問題の中心として叫ばれる事が多くなっています。
若者の貧困、ワーキングプアについて更に詳しく知りたい貴方はこちらの記事をお読みください。
>>>日本における貧困問題を考える。若者の貧困問題は優しくない日本の国民性にある!?
片親。特に女性の片親であるシングルマザーによる貧困も起きています。
これは男性と女性の社会格差が主な原因なので、男性の片親からはあまり貧困問題は聞こえてきません。
離婚が良いか、悪いかではなく、女性軽視の社会性が理由となっています。
「最近は女性ばかり優遇されて、男性蔑視だ!」
と叫ぶ人もいますが、日本は世界的に見てまだまだ女性蔑視が強い国です。
高齢者の貧困の理由はとにかく少子高齢化です。
若い世代が少なく、支えて貰う高齢者が多くなったため、社会保障だけでは限界があるからです。
そのため、高齢者の貧困は先進国にこそ起きる問題です。
子供の貧困は、シングルマザーの貧困と密接です。
子供は元々稼げませんので、子供の貧困は親の貧困が理由です。
強い劣等感を植えつけたり、未来への希望を失わせ、選択肢を狭めるという、
『未来に可能性がない状態』
を作り得る貧困でもあります。
「日本は世界的に見ても人に優しい国民性」
一昔前にはこのように言われ、このように言われる事でちょっと胸を張るような人もいました。
しかし、これは
『道に落ちた物を拾う』
このようなレベルの話です。
そうではなく、
◎、寄付に対する考え方
◎、生活困窮者に対する考え方
◎、弱い立場にある人への考え方
等の面での統計では世界的に低水準とされています。
つまり、
『弱者に厳しい国民性』
これが日本のイメージとして徐々に広まりつつあります。
「そんなことないでしょう~!?」
と思うのであれば考えてみて下さい。
◎、生活保護受給者
◎、路上生活者・ネット難民
このような状況で苦しんでいる人達に対して
『自業自得でしょ?』
このように言っている人達を見たことはありませんか?
公務員に対して
「税金泥棒」
「私たちの税金で生活しているくせに」
このように言っている人達を見たことはありませんか?
「寄付なんてもったいない」
このように言っている人達を見たことはありませんか?
若くして妊娠・出産をした夫婦に対して
「甘い!何を考えているんだ?子供が可哀想」
このように言っている人達を見たことはありませんか?
他にも色々とありますが、これらは全部弱者を攻め立てる国民性の現れです。
他の先進国ではこのような意見が主流の国はないそうです。
「そう思うから自分達が寄付等で支援する!」
と考えるそうです。
弱者を叩き潰そうとする意見が主流になり得るのは日本だけなんですね。
だから貧困に陥った人達が社会保障を受けにくく、復活する選択肢を自ら捨ててしまい、貧困に陥るわけです。
なおこれは、全国民がそう考えるという意味ではなく、全体の傾向としてなので、勘違いはしないで下さいね。
結論:『教育と仮想通貨』
これらの貧困問題を解決するための方法として、
『教育』と『仮想通貨(暗号資産)』
をピックアップします。
まずは教育から。
教育と貧困は関係性が高くなっています。
国単位で見ても、キチンと教育を受けられる国の収入は高く、教育をまともに受けられない国の収入は低くなっています。
実はこれは個人単位でも言える事で、キチンと勉強をしている人の収入は高く、勉強をほとんどしていない人の収入は低くなっています。
そのため、絶対的な貧困でも、生活水準が低い貧困でも、解決のために重要なことは
『教育』
と言えます。
例えばアフリカの貧困。
国はお金を持ってはいるんです。
それを国内で活用できないだけなんで。
独裁国家を国民の力で妥当した
『アラブの春』
という事件がありました。
あれはSNSの普及により、
「あれ?なんか自分達って虐げられてない?」
と世界情勢を学んだ事で一致団結し、達成できたものです。
もう一つ。
日本で貧困に悩んでいる人達は、自分でお金を稼ぐ方法を知りません。
「お金=労働の対価」
と考えています。
そのため、時間と体力を費やして労働をしているわけです。
つまり、お金の稼ぎ方、お金が増えるメカニズム、投資等の知識がないわけです。
それらの知識があれば、貧困状態から抜け出せる可能性がありますよね。
これらのように、教育という存在は貧困問題解決にとってとても有効な手段と言えるんですね。
そこで日本でも、アフリカでも
「リモート教育が貧困問題の打開策になるのではないか?」
と注目されています。
更に詳しく教育格差への取り組みや情報を知りたい貴方はこちら!
>>>〔SDGs〕世界・日本の格差社会を解決する鍵は教育にある!
日本では
『仮想通貨?ビットコインでしょ?あれって詐欺なんでしょ。』
とのイメージが付いています。
しかし、実はとても凄い技術で、
『世界の貧困問題を解決する手段になり得る』
と言われています。
仮想通貨についての解説は別記事にまとめますので、今回は
「そんな事が出来るんだね!」
くらいで頭の片隅に入れて置いて下さい。
貧困状態から抜け出す手段の一つとして金融取引、ザックリ言うと投資があります。
投資を行うためには銀行口座や証券口座を開設する必要があります。
しかし、それらを開設するためには、
◎、定住地
◎、定職
◎、審査を通るだけの信頼性
等が必要です。
世界で貧困に苦しんでいるスラム街に住んでいる人達にそれらがあると思いますか?
ありません。
そのため、貧困から抜け出すための手段である金融参加ができないんです。
絶対的な貧困だけではなく、未来が閉ざされている貧困でもあるとも言えます。
それを解決する手段こそが仮想通貨なんです。
仮想通貨はインターネットに繋がる環境さえあれば、誰でも口座を持てます。
誰でも取引が行えます。
誰でも仮想通貨の売買が行えます。
仮想通貨を手に入れたり、投資をしたり、預け入れたりを行う事がスラム街の人達でも行えるんです。
しかも物ではなく、デジタル資産なので強盗に襲われて奪われることもありません。
スマホ等を奪われても、口座を開設した本人にしか開けません。
だから
『仮想通貨は世界の貧困問題を解決する!』
と言われているんですね。
このように聞くと貴方は
「いやいや、スラムに住んでいる人達がインターネットに接続って、まずそこが無理じゃん」
と思ったかもしれません。
そこを可能にしようとしているのがフェイスブックです。
「世界どこに居てもインターネットに繋がる環境を作る」
砂漠のど真ん中だろうと、ジャングルの中だろうと、海で遭難していようとインターネットには繋がる環境。
そのためにドローン基地局や宇宙衛星基地局等を作る計画をしているわけですね。
そして、貧困問題を解決するためにフェイスブックは
『Libra(リブラ)』
という仮想通貨を発行しようとしています。
※ 現在は国に「待った!」を掛けられて、開発が中断しています。
世界中のどこからでもインターネットに繋がり、貧困から抜け出す手段の一つである仮想通貨もある。
あとは、それらを上手く活用し、貧困から抜けだすために、やはり知識を習得する為の教育が重要になってくるんですね。
この辺りは既に貧困問題を抱えている国では、国ぐるみで取り組み始めています。
こちらの記事でも触れている通り、日本等の先進国よりも新興国の方が最新テクノロジーを取り入れて発展する速度は速いです。
>>>世界・日本・人類の未来はどうなる?わかりやすく解説します
実は世界の差別や貧困問題に取り組んでいるユニセフも既に仮想通貨による問題解決に取り組んでいます。
>>>国連機関として初「ユニセフ仮想通貨ファンド」設立を発表
「仮想通貨なんて詐欺でしょ」
と毛嫌いするのではなく、せめて
◎、フェイスブックのLibra(リブラ)
◎、ユニセフ仮想通貨ファンド
だけでも注目してみて下さい。
結論:『寄付とボランティア』
「そんな盛大なことを言われても、私たちにできることはないの?」
と考えた貴方にもできることはあります。
それは寄付とボランティアです。
寄付の基本はお金です。
「ただお金を寄付するだけはちょっと厳しいなぁ」
という貴方向けには、ユニセフグッズの購入という手段もあります。
昔は様々な商品が買えて、私もこの記事を作成している服装はユニセフTシャツです。
しかし、現在はカードだけのようです。
貧困から抜けだすための教育の道具も寄付できます。
読まない本。
いらなくなった教科書
等は国内の養護施設や海外の学校等に向けて活用されます。
その他にも換金できる不用品を寄付する等、様々な寄付の形がありますので、貴方に合った寄付の形で寄付をする支援方法があります。
貴方自身が直接支援する方法もあります。
国際的な支援だと青年海外協力隊で有名な
国内だと
◎、学習支援の先生ボランティア
◎、スポーツやスキル等を教える先生ボランティア
辺りが始めやすい活動になります。
高校生や大学生なら小中学生に教える事は出来ますよね。
部活経験者ならスポーツを教えることが出来ます。
趣味でやっていることを学生に教えることだって出来ます。
それらは教育としては重要な体験やキッカケになります。
学校で教わる学問だけが学習・教育ではありません。
ただし、物と違って人の動きが必要になるため、あまり日本全国規模の団体はないので、貴方の住んでいる地域で探してみて下さい。
かなり長くなってしまいました。
ここまで本当にお疲れ様でした。
それでは
『世界からも、日本からも貧困を失くす取り組み。貧困の原因と解決策。』
についてまとめて終わりにします。
貧困とは
『絶対的にお金がない貧困』(一日1.9ドル以下の生活)
『生活水準が低い貧困』(他と比べて貧しい)
『未来の可能性がない貧困』(悪化する未来や現状を変えられない状態)
貧困問題の現状は
絶対的にお金のない貧困者数は約7億3000万人。
日本で生活水準が低い貧困者は
◎、片親・シングルマザー
◎、高齢者
◎、子供
アフリカ諸国の貧困の理由は
戦争と植民地化の歴史で荒廃。
豊かな資源を国内に活かせない環境から来る独裁国家。
日本における貧困の理由は
女性蔑視や少子高齢化による格差。
◎、弱者を保護する。守る
◎、みんなで助け合う
という感覚が弱く、
「貧困やその状況は自分自身に責任があるでしょ!」
と考える、弱者に厳しい国民性。
解決策と取り組み
教育により貧困より抜け出す知識や知恵を得て、可能性を広げる。
仮想通貨により、貧困から抜け出す手段を得る。
私たちにできることは
寄付によって活動をサポートする。
自分自身がボランティア等により直接支援を行う。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
是非、他の2030年の世界地図帳シリーズの記事も宜しくお願いします。
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