『AI・ロボットに人権を与えるべきか?』そもそも人間以外に人権を与えられるのか? 『超人類の時代へ 著:イブヘロルド』
『AIやロボットに人権は必要だと思いますか?』
このように聞くと
「人権は人の権利ですから、AI等にはいらないでしょう!議論にすらならないよ!」
「AI等に人権を与えたら人類を滅ぼすとか言いそう。」
「生き物である動物にすら人権がないのに、AIに人権が与えられるわけがない!!!」
貴方はこのように考えませんか?
実際にヤフー知恵袋で調べた結果、多くの人がこれらのように考えているようです。
しかし、その多くはそもそもの
『人権』
と言うモノを勘違いしています。
そこで今回はAI・ロボットの人権についてお話をしていきます。
内容としては
◎、人権は人間以外でも取得できる
◎、AI・ロボットと人権の議論
◎、世界初の人権を取得したロボット『ソフィア』
このような流れです。
この記事を読む事で、そもそも人権とは何かを知る事が出来ます。
AI・ロボットに人権を与えるかどうかの議論を知り、貴方自身で考えるキッカケになります。
AI・ロボットの人権の最先端の動向を知ることも出来ます。
それでは早速、AI・ロボットと人権について見ていきましょう!
AI・ロボットと人権『人権は人間以外でも取得できる』
結論:『人権は人以外にも与えられる』
「人権は、人の権利と書くから人権」
これは正しいです。
しかし、
『自然人=人』
ではありません。
自然人とは、いわゆる私達のような生物としての人間のことです。
しかし、人権を取得出来る
『人』
とは自然人だけではないんですね。
私達のような生物としての人間以外の人は、既に私達の生活の中に沢山溶け込んでいます。
例えば生き物以外の人の中で、一番身近な人は
『会社』
でしょうかね。
『社団法人』
と言う種類の人になります。
特養等の介護施設なら
『社会福祉法人』
病院なら
『医療法人』
宗教団体なら
『宗教法人』
等々。
多くの組織は
『法人』
という人です。
これは建物やオフィス、社長等を人と認めているのではなく、団体・集まりそのモノを人と認めています。
つまり、形すらないものを人と認めているんですね。
じゃあ誰が認めているのか?
それは
『法律』
です。
そもそも人権とは、法律で定めているものですので、その大元の法律が
「団体も人と認める!」
と言っており、私達も自然とそんな環境を受け入れて生活しているわけですから問題はありませんよね。
ではAIやロボットへの人権はどうでしょうか?
既に目には見えない団体・組織ですら人と認められている今の世の中。
目に見える物質としてのAI・ロボットを人と認める事に何の違和感があるでしょうか?
私は、AI・ロボットよりも、団体が人と言われる方が違和感ありますが。
貴方がどちらの方に強く違和感を持つかはわかりませんが、ともかく
『生きている人間以外でも人と認められ、人権取得は可能』
という事実を知ることができました。
そこで次に、AI・ロボットに人権を与える必要性はあるのか?について考えてみましょう。
何のメリットもないなら、別に与える必要はありませんからね。
更に深掘りして一緒に見ていきましょう!
AI・ロボットと人権『AI・ロボットに人権を与える必要性』
結論:『テクノロジーの普及には必須!』
<法人の必要性>
AI・ロボットに人権を与える必要性を見る前に、現在なぜ自然人以外の人(法人)に人権を与えているのかを見ていきましょう!
法人を認めているメリットで一番分かりやすいのは、
『物を所有できるから』
です。
◎、会社の車
◎、会社の備品
◎、会社の経費
なんて言葉を聞いた事はありませんか?
物を持つための所有権。
これは人に与えられている人権の一つです。
そのため、人じゃなければ物を所有できません。
もしも会社に人権がなければ、会社の車なんて物は存在しません。
全て社長の私物とか、社員個人の車を使う事になります。
更に、お金も人じゃなければ持てませんので、仕事に掛かった費用も個人負担になります。
社員が儲けてきたお金は社長や稼いできた社員のお金になります。
だって、法人じゃなければ会社はお金も持てないんですから。
会社が人じゃなければ株式という制度も実現できませんね。
株式は会社の資産ですからね。
このように、人以外が人権を持つ必要性は確かにあるんですね。
「じゃあ、AI・ロボットはどうなんだ?」
と言う事に入って行きます。
<AI・ロボットが責任を負う>
AI・ロボットに人権を与える一番のメリットは、
『テクノロジーの進化・普及のためには必須だから』
です。
何故テクノロジーの進化・普及に、AI等への人権が必要なのか見てみましょう!
分かりやすい例で言うなら完全自動運転車。
2030年ころには人間が一切運転しなくても走行できる完全自動運転車が普及してくると言われています。
しかし、いきなり事故ゼロはあり得ないと思います。
かなり減少するとは言え、事故は起きると考えられます。
そんな完全自動運転車が事故を起こしたら、一体誰が責任を負いますか?
AIに人権があると、責任を負うのはAIになります。
だって、車の所有者は別に運転しているわけではないですし、走行中に乗っているとも限りませんからね。
車が事故を起こしても私達人間が責任を負わないというのはメリットですよね。
◎、ペーパードライバー等は、事故を起こして責任を負うのが怖くて車に乗れない人も多いです。
◎、事故を起こしてしまうと訴訟やら、当事者同士のやり取りやら、何かと時間も労力も大変です。
しかし、責任はAI・ロボットにあるので、それらを私達がやる必要がありません。
「違反をして免許の点数が!」
なんて心配をする必要もなくなります。
このようにAI・ロボットに人権を認めると、車を運転するリスクの多くが解消するんですね。
そうなると、最新テクノロジーの便利さから普及が進みます。
しかし問題点もあります。
AI自身はお金等を持っていないので責任を負えません。
「じゃあ、被害者への責任はどうするのか?」
という問題が残ります。
<AIがどうやって責任を負うのか?>
自動運転車が事故を起こした場合に責任を負うのは所有者でしょうか?
しかし、所有者感情としては
「自分は運転していないし、何なら乗っていない時にAIが勝手に事故を起こした。それで責任を負えとかふざけんな!システム開発をしたメーカーが責任を負え!」
となりますよね。
そんな状況では、誰も自動運転車なんて買いたいと思いません。
それでは便利だとしても、テクノロジーが進化したとしても、普及はしません。
この
「誰が責任を負うのか?」
という問題は解決し得ますし、その方法を活かすためにはAI・ロボットに人権がないといけません。
その方法とは、
『所有者が保険に加入しておく義務を負う』
これだけです。
要は今の車と同じですね。
AI・ロボットに責任を負わせるためには、万が一の事故の際に保険金が出る必要があります。
しかし、AI・ロボットに人権がないと、保険会社もAIの事故で保険金を出しません。
だから万が一の時に、AI・ロボットに責任を負わせるよう、保険金を出して貰うために人権を与えるんです。
『万が一の時・不具合時』
を保証できないとテクノロジーは普及しません。
だから最新テクノロジー普及のためにはAI・ロボットへの人権は必要な事なんですね。
意識改革という程の大きなことではなく、
『保険加入をしておけば、責任は全てAI・ロボットが負う』
この感覚を受け入れることが出来れば、自動運転に限らず、AI・ロボットの責任問題は解決し得ます。
そのための基盤としてAI・ロボットに人権を認めるというのは必要なことなんですね。
<AIが人権を持つ事は普通>
他の事柄でもAI・ロボットに人権を与えた方が良い場面は多くあります。
例えば契約・約束。
AIを介して買い物をしたり、契約を結んだりする場合。
AIに人権がないと、その契約等は問答無用で取り消され得ます。
少し難しい話も必要になってしまうので詳細は省略しますが、今の法律ではそのような場面が出てきてしまうという事です。
AIによる手続き等も出来なくなってしまいます。
これらのように、AI・ロボットに人権を与える事は、テクノロジーの進化・普及には必要な考え方なんですね。
そして、団体という目に見えない概念に対して既に多くの人格を与えている現在において、物に人権を与えることは決して変だったり、新しい概念ではないという事です。
AI・ロボットと人権『世界初の人権を取得したロボット『ソフィア』』
結論:『人間よりも手厚い人権保証』
<サウジアラビアのソフィア>
ここまでAI・ロボットの人権を見てきました。
私達がAI・ロボットに人権を与えることに好意的だろうと、否定的だろうと、その流れは止めようがないと思います。
そんな中、実は世界には既に人権を取得したAI・ロボットが存在しています!
それがサウジアラビアの
『ソフィア』
というロボットです。
サウジアラビアはイスラム圏の国になります。
イスラム圏では
『女性は男性に守られる存在』
とされており、不用意に肌を見せてはいけません。
女性が人前で話をする時には必ず後見人としての男性がいなければなりません。
しかし、ソフィアはそのような国にあって、単独でスピーチを許されています。
更に肌も隠していません。
これはイスラム圏の女性からしたら
『ロボットの方が人権が手厚く保証されている!』
となるんですね。
細かい権利の内容や何故人権を与えたのかの経緯等は分かっていません。
<AIが「人類を滅ぼす」>
このソフィアは過去に、人類を滅亡させる趣旨の発言をしたそうです。
そのことから
「AIが人類を駆逐する!」
「ソフィアは本性を隠しているぞ!怖い」
のような言葉も見られます。
しかし、その恐怖はAI・ロボットに向けるべき目線ではありません。
と言うのも、現在のAIは自立思考は出来ないからです。
つまり、ソフィアがそのように発言したのであれば、それはサウジアラビアや開発者の意図する”何か”が組み込まれていたという事です。
この発言がジョークではなく本気なら、注意すべきはソフィアではなくサウジアラビアや開発者です!
どちらにしても、
『人権が与えられた世界で最初のロボット』
ということで、注目しておきたい存在であることには間違いありません。
まとめ
それでは
『『AI・ロボットに人権を与えるべきか?』そもそも人間以外に人権を与えられるのか?』
についてまとめて終わりにします。
人権は人間以外でも取得できる
団体を人と認める法人という存在がある以上、ロボットを人と認めるのも問題はない
AI・ロボットに人権を与える必要性
不具合やリスクを解消し、テクノロジーの普及に繋がる
世界初の人権を取得したロボット『ソフィア』
人間よりも人権が手厚い部分もあり、手探り感がある。
今後に注目!
ここまで読んで頂きありがとうございます。
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「何か始めないとなぁ」
— ふたひい@埼玉 (@futa_hii) July 2, 2020
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