『生成AIに関する著作権について、文化庁が考え方の方針を公開』をわかりやすく説明します。
2023年ChatGPT人気から生成AIが大きな盛り上がりを見せています。
そこで度々騒がれているのが
「これ、生成AIを使って作成されたイラストなどの著作権ってどうなるの?」
です。
この部分に関して、日本では文化庁が考え方の方針を発表しました。
>>>文化庁『AIと著作権に関する考え方について』へのリンク
とはいえ、原文は法律に基づいた説明の仕方なので正直難しいし、言い方が回りくどくてわかり難い。
そこで今回は
『文化庁が公開した生成AIによる生成物の著作権について』
をわかりやすく噛み砕いて説明して行きます。
この記事を読むことで
◎、生成AIによるイラスト等の著作権がどう解釈されるのかがわかります。
◎、生成AIで作られたモノの適切な扱い方を理解できます。
それでは、生成AIで作り出された生成物の著作権について、文化庁が公開した内容を一緒に見ていきましょう!
※原文は”サービス提供者・開発者”、”著作権を持っている人”、”サービス利用者”について書かれていますが、本記事ではサービス利用者についてピックアップして書いています。
生成AIによる作成物の著作権問題とは?
まずは、生成AIによる作成物の著作権問題とは何なのかを簡単に整理します。
生成AIはネット上にある文章やイラスト、声や音声から学習をしています。。
そして、その学習した内容やデータを元にイラスト等を作り上げます。
つまり、AIから生み出される作成物は、誰かが作った物を細かく張り合わせた物なんですね。
そして、誰かが作ったオリジナルの物には著作権があります。
著作権とは、それを作った人の物を他人に無断で使用されないように保護するための権利です。
そのため、
「生成AIは、元々の作者の著作権を無断で侵害しているのでは?」
というのが生成AIによる著作権侵害問題になります。
これは正直難しい問題です。
生成AIが新しいモノなので、法律がそれを想定しておらず、追い付いていないからです。
とはいえ、国としてもそのまま放置しておくわけにはいかない。
けど法律を新しく作るのには時間が掛かるので、
「とりあえずの方針だけでも発表しておきますので、できるだけそのような形に添って考えて下さい。」
と今回の内容を公開したというわけですね。
では、どんな問題かが何となく理解できてところで、実際にどんな作成物が著作権侵害になり得るのかを見ていきましょう!
著作権侵害になり得る作成物とは?
生成AIを使って作成されたイラスト等の著作権は
『客観的に著作物だとわかる場合は侵害に当たる』
です。
ちなみに、この場合利用者がその著作物を誰かの作品の権利侵害をしているモノだと知らなくても侵害に該当するそうです。
少しわかり難いですかね?
具体例を出します。
例えば、貴方が生成AIで
『猫、ロボット、未来』
みたいな内容でイラストを作成して貰ったところ、ドラえもんっぽいイラストが出てきたとします。
それはもし、貴方がドラえもんを知らなかったとしても客観的にみて、ドラえもんを知っている人が見たらドラえもんのパクリだとわかるようなイラストであれば、それは著作権侵害に当たるということです。
つまり
「えっ?これ著作権侵害になるの?でも私はドラえもんってキャラクターを知らないんですけど。」
は通用しないということです。
著作権侵害になり得る作成物がわかったところで、次は著作権侵害になり得る行為についても見ていきます。
基本的に日本の法律は、著作権侵害になるモノを作るのは自由ですので。
その作った物をどう扱うかによって違法かどうかが決まりますからね。
著作権侵害になり得る行為とは?
生成AIで作られたものをどう扱うと違法になるのか?
それは
『他人に見せたら』
です。
先ほども少し言いましたが、作るだけなら著作権侵害にはなりません。
個人で鑑賞して楽しむだけなら、権利侵害にならないんですね。
しかし、それを他人に見せた時点で権利侵害になります。
この線引きは内容を見る限り、
『データ送信の有無』
のようです。
これも具体例を出します。
例えば、貴方が生成したドラえもん。
これを
「ねぇねぇ。この前生成AIでドラえもん書いたんだけど。上手く書けてるでしょ?」
とスマホ画面を友達に見せるのは大丈夫。
でもそれをLINEやメールで送信して
「上手く書けてるでしょ?」
と送るのは著作権侵害になるという感じです。
もちろん、エックスやインスタで公開するのも著作権侵害になります。
ちなみに印刷した場合はその印刷物自体がデータと同じ存在だと思ってください。
つまり、作成イラスト等をポスターのように印刷して、他の人にも自由に見られるようなところに張り出すみたいなこともダメです。
このように見てくると結構シビアですよね。
そこで
「も、もしもですよ。これ、著作権侵害と認定された場合ってどうなるんですか?私逮捕とか、損害賠償請求とかされちゃうんですか?」
と不安になりますよね。
ということで、著作権侵害と認定された場合にどうなるのかも見ていきましょう!
著作権侵害をしたらどうなるの?
基本的には
『削除要請を受ける』
です。
いきなり
「損害賠償を支払え!裁判だ!」
とはなりません。
そうではなく、今まで生成AIで作った著作権侵害となるイラスト等の削除と、今後は同様のイラスト等を作らないということを約束させられるだけです。
ただし、それらの要請や注意を何度も無視していると、訴えられます。
今までの内容を見てきてわかる通り、私達利用者にその気がなくても、知らないところで著作権侵害をしてしまっている可能性もあります。
だからいきなり損害賠償のようなことにはならないようになっているみたいですね。
つまり、
「あまり過度に怖がらず、でも節度を持って誠実に使いましょう。」
ということですね。
さて、ここまでは他に著作者がいる物に関する権利でした。
最後に見ていくのは、生成AIによって貴方がオリジナルの物を作成した場合に、その作成物の著作権はどうなるのか?についてです。
生成AIで作られたオリジナルの作成物の著作権は?
最初に結論を言うと
『新しい著作権が認められ得る』
です。
生成AIを使って作られる物は必ずしも他人の権利を侵害する物だけではありません。
どんな組み合わせにするか?どんな見た目にするか?どんな絵柄にするか?どんなキャラクター付けをするか?等々、サービス利用者によって作られた物にもオリジナル性が出てくることがあります。
とはいえ、
「でも生成AIって全てが他人の作った物を小刻みに貼り合わせた物なんでしょ?それに著作権を認めるとか、どうなの?」
という争いもありますので、この辺りに関しても見解が出されたわけですね。
その結論として、生成AIによって作られた物にも著作権は認められ得るなんですね。
個別に検討する必要があるとして上で
◎、それを生成する上での創作的努力の量
◎、生成物に自分で手を加えた場合、手を加えた部分
等々を総合的に勘案して著作権を認める方針なのだそうです。
そのため、何となく”可愛い犬、キャラクター”みたいな簡単な指示を出したら
「めっちゃ良い感じじゃん!」
というマスコットキャラが作られても、それに著作権は認められないんですね。
それを生成するまでの努力量や手を加えている部分が何もありませんからね。
あくまでもそれを作り上げるまでの努力や苦労、才能などを保護するのが著作権ということですね。
今回は以上になります。
是非参考にしていただき、楽しく、安全な生成AIライフを過ごしていきましょう!
最後に
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