SDGs:目標14『海の豊かさを守ろうとは?』わかりやすく説明します。

2021年6月25日

 日本でもテレビで特集が組まれる等、最近よく見聞きするようになったSDGs。

 世界規模の社会問題を、2030年までに解決すべき17個の目標として掲げたモノです。

>>>「SDGsとは何か?」子供でもわかるくらい、簡単にわかりやすく説明します!

 

 その中でも、私達日本人に大きく関係するのが海を守ろうという目標です。

「日本は海に囲まれていますから、重要ですよね!」

「海の現状ってどうなっているんだろう?私達に出来ることを是非知りたいです!」

と積極的な声がある一方

 

「私が住んでいる地域に海ないしなぁ~!」

「私、別に海に行かないし、日本人だからってあまり関係ないですよ!」

という声も聞こえます。

 

 しかし、このSDGsでの海に関しては海なし地域の貴方にも関係する問題なんですね!

 

 そこで今回は、海なし地域の人達にも関係するSDGs目標14

『海の豊かさを守ろう』

について、わかりやすく説明します。

 

 この記事を読むことで

◎、SDGsというモノの雰囲気をイメージできます

◎、今世界的に海はどんなことが問題視されているのか分かります

◎、私達個人に出来る事も理解できます

 

 それではSDGs:目標14、海の豊かさを守ろうについて、一緒にみていきましょう!

 

 

 

日本人はプラスチックゴミを減らそう!

 SDGs目標14:海の豊かさを守ろうに関して、私達日本人が特に意識すべき部分は

『プラスチックゴミを減らす事』

です。

 

 このSDGsというものは世界規模の問題を解決するモノなので、一言で

『海の問題』

と言っても、様々な目標設定がされています。

 

 それら全部を追って行くと

「あれも!これも!どうしよう~!もうワケが分からない!」

となりますので、私は1点に絞ります!

 

 それこそが

「プラスチックゴミを減らそう!」

です。

 

 最近だと、このSDGs目標14(目標15も含む)に関連した動きとして

『レジ袋有料化』

は記憶に新しいですよね。

 

「えっ!海を守るための動きだったの?」

と言う貴方はこちらの記事をお読みください。

>>>レジ袋有料化はなぜ行われるのか?その目的と必要性をわかりやすく説明します。【SDGs】

 

 まだピンと来ていないかもしれませんが

「海を守るためにプラスチックゴミを減らすんですよ!」

ということが分かったところで3点

 

①、プラスチックゴミの現状・課題

②、取り組み事例

③、私達にできること

 

 これらについて、更に詳しく一緒に見て行きましょう!

 

 

 

①プラスチックゴミの現状・課題

<海問題なのに、なぜプラスチック?>

「なぜ海の問題でプラスチック?」

という人が多いと思いますので、まずはそこからお伝えします。

 

 それは

『大量のプラスチックが海に流れて、海の環境を破壊しているから』

です。

 

 海に大量のプラスチックゴミが流れ出ることで

◎、それを食べた動物・海鳥等が死滅する

◎、太陽光や酸素を阻害し、海藻類が育たなくなる

◎、海藻類が育たないと魚・エビ等が産卵できない

◎、魚・エビ等の体内にプラスチックが溜まって行き、私達がそれを食べる

等々、様々な部分で大きな影響が出ているんですね。

 

 プラスチックは自然界では分解されないので、繊維状になったり、自然界で雨風にさらされたりして、目に見えないくらい小さくなり、空気中を漂ったり、海川に流れ出たりしています。

 

 それをマイクロプラスチックと言います。

 私達はそれを直接吸ったり、それを食べた魚介類から体内に取り込んでしまったりしていると言われます。

 

 その量、

1週間で、平均クレジットカード1枚分

と言われます。

 

 もちろん排出もされているので、これだけの量が純粋に溜まり続けていると言う事ではありません。

 しかし、知らぬ間にこれだけの量のプラスチックを体内に取り込んでいるそうですよ!

 

 更に日本人は、地域に関係なく魚介類を多く食べる民族ですので、この量よりも多い可能性すらあります。

 

 このように聞くと、SDGsに興味がない人でも

「うわ!マジか!」

となりますよね?

 

 自然破壊がどうとか関係なく、何となく

「どうにかしないと!」

と感じて来ますよね?

 

 だから

「海がない地域だから関係ないや!」

とかではなく、魚介類を日常的に食べる日本人には大きく関係する問題なんですね。

 

 

<リサイクルしているのに、ダメなの?>

 ここまで聞いて、リサイクル・エコ等に積極的な人は

「ちょっとまって!開発途上国ならプラスチックゴミを捨ててしまうのもイメージできます。」

「でもリサイクル習慣も進んできている日本では、そこまで重要でもないのでは?」

と感じるかもしれません。

 

 しかし、今の形のリサイクルでは

『ゴミが出るタイミングを遅らせているだけで、ゴミの量は変わらない』

と言われています。

 

 この辺りについても説明していきます。

 

 例えば、ペットボトルに代表されるプラスチックゴミ。

 一見

「リサイクルに出して、別の物に生まれ変わるなら、新しく増えないじゃん!」

と思いますが、そうじゃないんですね!

 

 考えても見て下さい。

 何故ペットボトルをリサイクルに出したら、それは再度ペットボトルではなく、洋服等別の物に作り変えられるのでしょうか?

 

 その理由は

『プラスチックは、リサイクルの度に劣化していくため』

です。

 

 劣化してしまうので、同じ物として作り変える事が出来ないんですね!

 その時点での劣化具合で問題ない物に使うんです。

 そして最終的には再利用できなくなり、埋め立てられます。

 これが今のリサイクルの形です。

 

 つまり、別の物に利用している間、ゴミとして埋め立てられるタイミングを遅らせているだけでゴミの量自体は変わっていないんですね。

 

 なんなら日本のプラスチックゴミはもう限界量を超えてしまい、海外に引き取ってもらっているそうです。

 

 リサイクルをしていても限界を超えて、海外に押しつけている現状があるわけですから

「開発途上国の方がポイ捨てが酷いと思うけど。」

と言う前に、日本はゴミの総量を減らさないといけないんですね。

 

 そんな現状にあるのがプラスチックゴミなので、私は

「日本人はプラスチックゴミ問題に注目して見ては?」

と絞ったわけです。 

 

 そこで気になるのが

「じゃあ国や企業は何か取り組んでないの?」

だと思いますので、その辺りについて見て行きましょう!

 

 

 

②取り組み事例

<プラスチックを無害にする>

 国は先程も少し紹介したように、レジ袋有料化等の形で取り組んでいます。

 企業もSDGsを意識した漁港の魚にはその旨のラベルを貼ったり、ブランド化したりして取り組んでいます。

 

 その辺りは是非スーパー等に買い物へ行った時に意識して見て下さい。

 そんな中、私が取り上げる取り組みは

『プラスチックゴミを無害にする取り組み』

についてです。

 

 リサイクルだけでは根本解決にはならないため、

「どうにかしてプラスチックを分解することはできないだろうか?」

との研究が進められています。

 

 実は、既にプラスチックを無害化する技術は見つかっています!

 まだ実用化できるレベルに達していないのですが、そのプラスチックを無害化する技術について2個ご紹介します。

 

◎、プラスチック分解バクテリア

◎、プラスチックを別の物に変えるバクテリア

 

 

<プラスチック分解バクテリア>

 実は

『プラスチックを分解するバクテリア』

というモノが既に発見されています。

 

 日本の大阪府堺市にあるゴミ処理場の中から発見され

イデオネラ・サカイエンシス

と名付けられたそうです。

 

 このバクテリアはプラスチックを食べて自分のエネルギーにしているのだそうです。

 これを効率的に実用化する、このバクテリアからプラスチック分解酵素を抽出する方法が試されています。

 

 しかし、現状ではまだ実用化できるほどの分解能力がないそうなので、研究が進められているという状況のようです。

 もっと詳しく知りたい貴方はこちらの記事をどうぞ。

>>>BBC記事『プラスチックを「食べる」酵素に賭ける リサイクルの未来』へのリンク

 

 

<プラスチックを別の物に変えるバクテリア>

 もう一つが

『プラスチックを別の物に変えるバクテリア』

です。

 

 先程の分解も、バクテリアの酵素が反応してプラスチックを分解していましたが、こちらもバクテリアの酵素を利用して別の無害な物に変える技術です。

 

 このバクテリアを使うと

『プラスチックがバニラ香料』

に変わるそうです。

 

 私達が普段日常の中で

アイス、お菓子、香水、柔軟剤、お香、タバコ

等々で嗅いでいる、あの甘い匂いです。

 

 プラスチックをあの匂いの元に変えてしまうバクテリアが発見されたんですね!

 

 これの凄いところは

『プラスチックにバニラの匂いを付ける

ではなく、

『プラスチックをバニラの匂い成分に変える

という部分です。 

 

 つまり、プラスチックを無害な別の物に変換してしまうんですね!

 これもプラスチックゴミの解決に向かうために期待できる技術の一つですよね!

 

 なお、この酵素は変換能力が高く、速度は速いそうです!

 ただ、最近見つかったばかりでまだ量が確保できていないので実用化はもう少し先になりそうです。

 

 これに関しても更に詳しく知りたい貴方はこちらの記事をどうぞ。

>>>テッククランチ記事『廃ペットボトルをバクテリアでバニラ香料「バニリン」に変換、英エディンバラ大学が実証実験に成功』へのリンク

 

 

 

③私達にできること

 最後に

「私達一人一人に出来る事は何かないんですか?」

という人に、私達ができることを提案します。

 

「ここまで知ったら、少しでも何か行動したくなっちゃいました!」

とウズウズする人もいるでしょうからね。

 

 そこで私が提案するのは4個です。

◎、プラスチックゴミを減らす

◎、キチンとリサイクルゴミとして出す

◎、興味を持つ

◎、周囲にも興味を持ってもらう

 

 

<プラスチック製品を減らす>

「プラスチックゴミが多くて問題だ!」

と言っているわけですから、プラスチックゴミを減らす行動は基本ですよね。

 

 具体的には

◎、レジ袋の代わりにマイバッグを使う

◎、プラスチック製のスプーン・フォーク・ストロー等を使わない

◎、ペットボトル飲料の代わりにマイボトルを使う

等々です。

 

 

<キチンとリサイクルゴミとして出す>

「リサイクルに出しても最終的には埋め立てられるので、根本解決にはならない!」

とは言いましたが、既に分解する技術は存在しているので、遅らせることに意味はあります。

 

 プラスチックを分解する技術の高性能化、大規模化を待っている段階ですので、ゴミが増えるのを遅らせるだけで、大きな貢献になるんですね!

 

 

<興味を持つ>

 貴方自身がSDGsや海洋問題に興味を持つのが一番大事です。

 

 なぜなら、そもそも知らなければ行動できませんし、知っていても

「よし、行動しよう!」

と気持ちが向きませんからね。

 

 実際に、この記事を読む前の貴方はそもそも知らなかったので、キチンと行動出来ていなかった部分があるのではないでしょうか?

 

 しかし、この事を知り、興味を持った今はどうですか?

「私には何ができるのかなぁ?」

と行動したがっていますよね。

 

 だから、一番大事なことは

『興味を持ち、色々と情報を入手して、更に詳しくなることです!』

 そうすることで、更に貴方が行える行動が増えて行きますよ!

 

 

<周囲にも興味を持ってもらう>

 最後は、貴方だけではなく

『貴方の周囲の人達も巻き込む』

という行動です。

 

 心のどこかに

「正直、私一人が少し取り組んだところで大して変わらないでしょ!」

と感じる所はあると思います。

 

 そのため、貴方が興味を持ったのなら、それを貴方の周囲の人達にも広めてしまいましょう!

 するとそれをキッカケに、ドンドン興味関心の輪が広がって行く可能性があるんですね!

 誰かがその最初のキッカケを作らなければ、その可能性すら発生しません。

 

 貴方が一人だけで取り組んでも広がる可能性はゼロですが、貴方が周囲に広めるとその可能性は1になります。

 0と1は大きな違いですよ。

 

「そうは言っても、いきなり”SDGs取り組もうよ!”、”プラスチックゴミ減らそうよ!”なんて言い出せない。」

と言う人は、SDGsバッジを身につけるということから始めても良いと思います。

 

『募金的な支援と、SDGsを広めるという支援!』

両方の意味合いを持つSDGsバッジと言うモノがあるんですね!

 

 しかし、それだけではなく、それをいつも付けていれば

「それ、いつも付けてるよね?テレビでも付けている人見掛けるし。それ何なの?」

のように興味を持ってくれる人が出て来やすくなります。

 

 そうすれば、

「実はこれって!」

のように、SDGsについて会話を始めやすくなりますよね!

 

 そのような活用方法としても

『SDGsバッジを身につける』

という手段は有りなんですね!

 

 

 

 

まとめ

 SDGs目標14海の豊かさを守ろうについて、日本人はプラスチックゴミを減らしましょう。

 

 その理由や取り組み等について

①、プラスチックゴミの現状・課題

 『プラスチックゴミの海への流出は深刻』

 『魚介類を多く食べる日本人には特に影響が大きい』

 

②、取り組み事例

 『プラスチックを分解・別の物に変える技術の開発』

 

③、私達にできること

 『プラスチックゴミを減らし、興味を持って周囲と雑談する』

 

 これでSDGsというモノの雰囲気をイメージできましたよね。

 今世界的に海はどんなことが問題視されているのかも理解出来たと思います。

 

「微力かもしれないけど、私にもできることはないの?」

についても、具体的な行動がわかりました。

 

 あとは、

「読んで満足!」

ではなく、ちょっとしたことでも良いので行動をするだけです!

 

 興味を持つという部分で、SDGsについて興味が増したこのタイミングで、こちらの記事も読んでみて下さい。

>>>「SDGsとは何か?」子供でもわかるくらい、簡単にわかりやすく説明します!

 

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